様々な具材が乗ったパエリアは食卓を華やかに演出してくれて、パーティーメニューとしても重宝する一品です。
レストランなどで食べるイメージが強いですが、最近では炊飯器やホットプレートなどを使って手軽に作れるレシピもありますよね。
そんなパエリアですが、そもそもどこの国の料理なのかご存じでしょうか?
今回はパエリアについて、どこの国の料理なのか、名前の意味や特徴、日本に入ってきた時期など、歴史的なことから味についてまで、様々調査してみたいと思います。
- どこで生まれた料理で、いつ頃日本に入ってきたのか
- 「パエリア」という名前の意味
- 特徴や味、作り方など
パエリアはどこの国?
パエリアはスペインの郷土料理
パエリアは、スペイン東部のバレンシア地方で9世紀ごろから食べられている料理です。
バレンシアと言えばオレンジを思い浮かべる方も多いと思いますが、実はスペイン随一の米どころでもあります。
ちなみにバレンシアでは、バレンシアオレンジの薪を使ってパエリアを炊くのだそう。
パエリアは、基本的にバーベキューのように屋外で直火を使って調理する料理ですので、薪割りや火おこしなどの力仕事が発生します。
そのためパエリアはいわゆる「男の料理」のカテゴリーに属し、日ごろ忙しい奥さんを労うため、休日にはお父さんが腕を振るう…という習慣もあったそうです。
パエリアの発祥の地はバレンシア地方エル・パルマール村
バレンシア地方の中でも、エル・パルマール村がパエリア発祥の地とされています。
エル・パルマール村では稲作が盛んにおこなわれており、水田が広がる様子は日本の農村風景にも似ているのだとか。
また、発祥の地らしく、目抜き通りにはパエリアのお店がたくさん並んでいるそうです。
パエリアの意味・語源は?
バレンシア語ではフライパンのことを「Paella(パエリア)」というそうです。
パエリアは専用の浅いフライパンを使って作りますので、料理と共にこのフライパンも広まっていきました。
もとは調理器具の名前だったものが、他の地域に広まるにつれて、次第に料理そのものを表すようになったと言われています。
また、その他にもアラビア語の「残り物」である「baqiyah」が語源である説や、ラテン語が語源になったとされる説などもあるようです。
パエリアの特徴・魅力は?
パエリアの特徴は何といっても専用鍋でしょう。
底の平らで浅い「パエジェーラ」というフライパンを使い、様々な具を炒めて生米にスープをたっぷりと吸わせて作ります。
米の炊き具合が重要で、アルデンテが望ましいとされています。
芯が残っていてはいけませんし、かといって柔らかくなりすぎたり、汁気が残ったりするのも良くないのだそうです。
また、鍋底には「ソカラ (socarrat)」と呼ばれるおこげができ、これはパエリアの中でも最もおいしい部分なのだとか。
おこげの美味しさは万国共通なのですね。
パエリアの歴史
パエリアは、8世紀ごろにスペインへ侵攻したアラブ人により稲作が伝えられたことにより生まれました。
当時バレンシア地方には古代ローマ人が伝えた灌漑施設が残っており、温暖な気候も適していたことから、稲作が定着したのです。
バレンシアの農夫たちが水田の周りで取れるものを米と一緒に炊いて食事としていたものが、パエリアの起源だとされています。
あまりお米のイメージがないヨーロッパで、古くから食べられているのに驚きました。
パエリアはどんな料理?味や種類はあるの?
パエリアは、専用のパエリア鍋で野菜や肉、魚介類などの具材を炒め、そこへ水、ジャバニカ米、サフランを加えて炊き上げた料理です。
パエリアと言えば魚介類のたくさん載った見た目にも華やかなものを想像しがちですが、元祖バレンシア風パエリアはウサギ肉、鶏肉、カタツムリ、モロッコインゲン、ガラフォン豆、パプリカ、トマトなどの山の幸を使って作るのだそうです。
その後バレンシア以外にパエリアが広まるとともに、海産物を使用したものやイカ墨を使用したものなどが生まれました。
また、スペインのカタルーニャ地方では米の代わりにパスタを使ったものが食べられています。
名称 | 特徴 |
---|---|
バレンシア風パエリア (Paella Valenciana) | 発祥の地バレンシアで食べられている伝統的なレシピ。 |
海鮮のパエリア (Paella de Mariscos) | エビ、イカなどの海鮮に加えてムール貝が入っているのが特徴。 |
ミックスパエリア (Paella Mixta) | 海鮮と肉が両方入っているのが特徴。 野菜をふんだんに入れる。 |
フィデウア (Fideua) | 米の代わりにパスタを使って作る。 エビを使うことが多い。 |
イカ墨のパエリア (Arroz Negro) | イカ墨を使用して黒く仕上げる。 アイオリソースを合わせる。 |
ちなみに、スペインでは米は野菜のひとつという位置づけにあり、主食ではありません。
パエリアも、バゲットなどと一緒に食べるのが一般的なのだそうですよ。
パエリアはいつ日本に来た?
パエリアが世界各国に広まるようになったのは、20世紀に入ってからです。
1950年代に観光事業が盛んになり、スペインを訪れた観光客が現地の料理としてパエリアを楽しむようになったため、広まっていったと思われます。
また、スペインからの移民が定住した国で、自国の料理としてパエリアを広めたということも要因としてはあるようです。
同じような理由で日本にも伝わったものと考えられます。
パエリアは現地と日本で食材・味に違いはある?
現地でパエリアづくりに使われる米は、日本の白米とは違った性質を持つものです。
パエリアは土地ごとの食材を使うことで様々なバリエーションを持つ料理ですので、具材などの面では特に大きな差異はないと思われます。
ただ、パエリアに使われるジャバニカ米というのは、日本で日常的に白米として食べられているジャポニカ米とは少し違っています。
ジャバニカ米は、見た目はジャポニカ米に似ているのですが、食感などは日本で俗に「タイ米」と呼ばれるインディカ米に近いのです。
スープと一緒に炊き上げるパエリアには、煮崩れせず、粘り気が少ない米が望ましいとされています。
そうした点でジャバニカ米はピッタリであるのに対し、日本で一般的なジャポニカ米はあまり向いていないのです。
ですので、日本で作る際でも、米の品種を選ぶことで本場のパエリアに近いものを作ることができます。
パエリアのレシピは?自宅でも作れる?
ネット上でも様々なレシピがありますので、自宅で作ることはもちろん可能です!
まずは、パエリアの作り方を簡単にご説明しましょう。
- 鶏肉を鍋で炒め、にんにくを加える。
- 鶏肉に火が通ったら取り出し、トマトとイカを炒める。
- 別の鍋でエビを茹でる。
- エビが茹で上がったら殻をむき、殻と頭の部分をミキサーにかける。
- 大きな鍋に④とエビのゆで汁、鶏肉、トマトとイカも加え、15分煮てスープを作る。
- パエリア鍋に具材とスープを入れ、米をまんべんなく入れる。
- サフランを加えて混ぜる。
- 10分火にかけた後、殻をむいたエビ、ムール貝、スライスしたレモンをトッピングし、8~10分沸騰させる。
- パエリア鍋に蒸し布をかけ、10分間休ませる。
今回はSpain Japan Travelという旅行予約代行サイトで紹介されていたレシピを要約してご紹介しています。
ざっくりとご説明していますので、詳しく知りたい方はぜひリンク元のホームページや、他のレシピなど検索してみてくださいね。
パエリアと言えば特徴的な鍋ですが、最近では日本でも販売されていますので、こだわりたい!という方は購入を検討してみてください。
ですが、専用の鍋がなくても、フライパンやホットプレート、炊飯器を使ったレシピがネット上にはたくさん紹介されていますし、具材に関してもシーフードミックスなどでお手軽に作れるレシピが存在します。
さらには、カルディなどでパエリアの素なども販売されているようです。
https://twitter.com/RIOoimo/status/1877296030019883201ご興味のある方は、ぜひ作りやすい方法で作ってみてくださいね。
本格的なレシピは工程も多くちょっと大変そうですが、パエリアの素なら初めてでも気軽に作れそうですね!
パエリアはどこの国について知恵袋などによくある質問4選
まとめ:
今回はパエリアについて、どこの国の料理なのか、名前の意味や特徴、日本に入ってきた時期など、歴史的なことから味についてまで、様々調査してみました。
パエリアは、スペインのバレンシア地方で誕生した料理です。
アラブ人の侵攻により伝来した稲作が定着したことにより、農夫が手に入るもので作った料理がパエリアの起源とされています。
名前の由来については、調理の際に使われるフライパンが語源になったなど、様々な説があります。
粘りの少ないジャバニカ米やサフランを使用し、専用の鍋で炊き上げるという特徴があります。
日本には1950年代以降、観光業が盛んになり世界中に広まった際に入ってきたのではないかと思われます。
本格的なパエリアを食べる機会というのはそうそうないのですが、フライパンで作るレシピなら家庭でも気軽にできそうですね。
パエリアパンなども通販などで買えるようですし、ジャバニカ種の「パエリア専用米」も国産のものが売っていましたので、本格的なレシピにこだわった作り方も十分に可能と思います。
ちょっとしたご馳走メニューに、作ってみてはいかがでしょうか?
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